老眼を放っておくとどうなる?
老眼を放っておくと?
老眼を放置していると、眼精疲労や視力低下はもちろんのこと、頭痛や肩こり、食欲減退などの体調不調に繋がっていきます。
「ただの疲れ目だろう」と軽く考えてはいけません。
そもそもなぜ老眼になるのか?
老眼の大きな原因は「目のピントの調節力の低下」です。
年齢を重ねると眼の水晶体が硬くなり、目の奥の毛様体筋(もうようたいきん)も衰えていきます。
目のピントが合いづらく、新聞の文字など近くが見えない老眼の症状が現れるのです。
老眼によって認知症のリスクも高まる
視力が低下し、適切な処置も受けていない高齢者は、脳が活性化されるような活動の機会も大幅に減少するため、認知症発症のリスクが高くなります。
老眼は、個人の視力の問題だけではなく、高齢者全体の生活の質も左右する大きな課題のひとつであり、今や社会問題のひとつとなっているのです。
日本の老眼人口が急増しているのは、高齢化が進んでいるだけでなく、老眼の「低年齢化」も原因の一つと言えます。
現代人は、長時間にわたりパソコンやスマホ、ゲーム機などの情報端末に眼が向いています。
過剰な情報の入力で、目と脳は悲鳴を上げているのです。
特に現代の子どもたちは生まれたときからスマホがある世代です。
「目の老化」が加速し、小学生~中学生の間に視力が低下していき、いわゆる「スマホ老眼」になっています。
スマホなどの長時間使用が目に悪いのは、画面が小さく一点を見続けるからです。
目を動かさないので、目の運動量も減るというわけです。
そうすると外眼筋(眼球の向きを変える筋肉)はカチカチに硬くなり、血流障害や神経障害を起こします。
また、これらの情報端末から発せられるブルーライトも、目の組織を濁らせ、交感神経を興奮させます。
子どもでは、学力や運動能力の低下、大人では、思考停止といった症状が出やすくなるのです。
老眼ではない可能性も・・・
「少し見えづらいな」「目がかすむな」と感じながら、「年だから老眼かな」くらいに思っていた人が、実は白内障が進んでいたというケースもあります。白内障の症状は少しずつ進行するので、自分では自覚できず、本人は「見えている」と思っている場合も多いので、注意が必要です。
また老眼と間違えやすい症状もあります。40歳前後の人だと、目のかすみや見えづらさを感じて「ついに老眼か」と思ったら、ドライアイだったということもあります。目が乾くと表面に小さな点状の傷がついて、すりガラスのようになります。光をうまく通すことができないので、見えづらくなりますが、一時的なドライアイであれば、目を閉じて一晩寝れば保湿されて回復するので、大きな心配はいりません。
乱視の進行も老眼と間違えやすい症状です。乱視は目の形のゆがみにより生じる症状ですが、見えづらいと感じていながら、「年だから仕方ない」と思っているうちに、乱視がどんどん強くなっている場合もあります。例えば、昔作った乱視用メガネをずっと使っている場合、症状が進んだ現在の乱視には度数が足りず、ダブって見えたり、ボケて見えたりということもあるのです。
特に、もともと近視や乱視の人はよく見えないことが当たり前なので、見え方の微妙な変化に鈍感です。少しくらい見えなくても、「メガネが古いし、生活に支障がないのでそのままでいいかな」くらいにしか思わない人も多いですが、そういう人こそ見え方の変化に注意したいものです。
老眼かなと思ったら・・・
老眼かなと思ったら、まず眼科専門医の診察を受けてください。
自分では老眼だろうと思っても、他の病気による視力低下が隠れていることもあります。
眼科ではきちんと検査したうえで、老眼による視力低下であるとの診断をします。
自己判断ですませるのは危険です。
さらに検眼は医療行為で、法律のうえでも医師が行うことなので、眼科を受診することはなおさら大切です。
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