老眼鏡における既製品とオーダーメイド品の違い

メガネ・老眼鏡の選び方

老眼鏡における既製品とオーダーメイド品の違い

銀行や郵便局などで見かける既製の老眼鏡と眼鏡店でオーダーする老眼鏡。
どちらも手元を見るための眼鏡ですが、どのようなところが違うのでしょうか。

既成老眼鏡について

左右のレンズが同じ度数でつくられている

乱視の度数を含めて考えると、左右の眼の度数が全く同じ人は少ないのが普通です。通常、既製老眼鏡は左右のレンズが同じ度数(+2.00や+3.00など)で作成されているので、度数が異なる左右の眼に「ピッタリ合って快適」ということは難しいと考えられます。そのため、既製老眼鏡を長時間使用すると、老眼鏡とご自身の「度数の差」によって眼の疲れや肩こり、頭痛などの不快な症状を感じる人もいるようです。

レンズの中心を理想の位置に設定できない

オーダーメイドの老眼鏡を作る時には、瞳孔の中心とレンズの中心位置を考えて作られますが、既製老眼鏡の場合、安価に販売する為に画一的な仕様で大量生産する都合から、その位置関係を個別に設定することが出来ません。このズレも眼精疲労などに影響する要因と言われています。既製老眼鏡を使用する場合には5分~10分といった短時間の作業が目安であり、長時間にわたる作業にはオーダーメイドの老眼鏡が必要となります。

オーダーメイド老眼鏡について

視力測定を行って作られるオーダーメイドの老眼鏡は、左右の度数の違いはもちろん、近くを見る時の眼の位置を踏まえた作りになっているので、長時間の読書や近くを見る作業も快適になり、疲れにくくなります。
さらに、眼鏡フレームのフロント部分の傾斜調整や、耳への掛かり具合などの調整・フィッティングも行いますので、既製老眼鏡との違いがより分かりやすく出ます。多くの人が既製老眼鏡とオーダーメイドの老眼鏡との違いに「値段」を気にされますが、今ではオーダーメイドの老眼鏡も安価になり、選べるデザインの幅も広くなってきているそうです。

100円ショップの老眼鏡と高級老眼鏡はどこが違うの?

100円ショップの老眼鏡にぴたりと合う人は少数

レンズだけで何万円という高級な老眼鏡がある一方で、100円ショップではフレーム付きで100円の老眼鏡もあります。
この違いはいったい何なのでしょうか?
実は、100円~数千円でフレームまで付いた老眼鏡のほとんどが単焦点で、今まで老眼鏡が必要なかった正視の人を対象としたものです。既製品ですから、レンズの中心位置が固定されていて微妙に合わないことが多い。また、乱視の補正もありません。意外と知られていないのですが、乱視のない人はほとんどいません。つまり、ピッタリとフィットして使える人はかなり限定されます。また、レンズに反射防止コーティングなどの加工がされていなかったり、フレームに耐久性がなかったりと、その場しのぎならともかく、長く使うのは難しそうです。よく見えて疲れを感じないなら安いメガネでも問題はないでしょう。ただ、安い老眼鏡は度が強・中・弱の3段階など大ざっぱなものが多いので、自分の目に合ったものを探すのは、難しいでしょう。

必要な度数は?

まず気になるのが「見え方」ではないでしょうか。老眼鏡には物が大きく見える凸レンズを使用するのが一般的です。販売されている既製の老眼鏡を見ると、+1.00や+2.00などの数字が書かれています。これが老眼鏡の強さを表す数値になり、大きい数字ほど強い度数になります。
遠くを見たときの視力に問題がない人であれば、40代は+1.00、50代は+2.00、60代は+3.00などのように必要な度数は変化していきます。ただ、遠くを見た時の視力や見たい対象物との距離によって必要な度数は変化します。そのため、出来る限り視力を調べてから購入することがオススメです。
本当に必要な度数を把握するためにも視力測定は眼鏡店や眼科で行うのが良いでしょう。

度数が同じの場合は?

基本的には既製の老眼鏡も眼鏡店の老眼鏡も同じ凸レンズを使用します。
しかし、この両者には大きく2つの違いがあります。

細かい度数設定

右眼と左眼の見え方が異なることを「ガチャ目」などと呼んだりしますが、左右の見え方はまったく同じ方は厳密には少ないです。眼には「利き目」と呼ばれるメインで使用する眼があります。利き目ともう片方の眼で立体的な見え方を実現しています。
眼鏡店の老眼鏡の利点の1つがこのポイントで、左右ともに正確な度数を選択できるということです。
また、既製の老眼鏡よりも選択できる度数の幅が広くなります。既製の場合、1番強い老眼鏡で+3.50という度数ですが、眼鏡店の場合はそれよりも強い度数も作ることが出来ます。

瞳孔間距離の設定

眼鏡レンズはレンズの中心がもっとも見えやすい設計になっています。そのため、レンズの中心と眼の中心の位置を正確に合わせなければ、メガネを装用したときの違和感の原因となってしまいます。既製の老眼鏡は眼と眼の間の距離を調整することができないので、眼幅が狭い人や眼幅が長い人にとっては違和感のあるものとなってしまいます。

見え方が変化したら?

年齢とともに見え方は変化していきます。そのため度数が合わなくなれば新しい老眼鏡を購入しなければいけないのですが、眼鏡店の老眼鏡の場合はレンズだけの交換で対応することができます。
既製の老眼鏡の場合はレンズ交換ができない設計であったり、レンズ交換を想定した強度になっていない場合があります。1本の老眼鏡を長く使用するのであれば、眼鏡店でメガネフレームを選択して購入されるのがオススメです。

どんなフレームでも老眼鏡を作ることはできる?

先にレンズを決めるのがベター

どんな形のフレームでも老眼鏡は作れますが、特に眼鏡初心者はまずレンズを選び、それに合うフレームの中から選ぶのがオススメです。今はレンズの縦幅が狭いフレームが人気ですが、縦幅が広いレンズの方がゆがみや揺れが出にくいです。
特に累進レンズ(1枚のレンズの中で境目がなく、徐々に度数が変化するレンズ)は縦幅が3cm以上あった方が良いでしょう。
老眼鏡に慣れていないのに、フレーム優先で作るとゆがみが出てしまい、結局使わなくなってしまうというような事になりかねません。形によっては、お気に入りのサングラスのフレームを流用することも可能です。ただし、レンズをカーブに合わせて削るなど加工に時間と追加料金がかかることが多いようです。

老眼鏡にはどんな種類があるの?

主に4種類

老眼鏡のレンズは「単焦点(普通の老眼鏡)」「近々」「中近」「遠近両用」の4種類があります。
単焦点と近々は読書やデスクワーク以外は外しますが、中近は室内を歩く程度なら、外さなくても大丈夫です。遠近は近視の人の老眼対策用となります。一日中かけっぱなしが普通です。生活に合わせて選んだり、複数を使い分けたりします。

必要に応じてカスタマイズも

最近では「スマホ老眼」という言葉が生まれるほど、パソコン・スマートフォンの長時間使用による見え方の変化を訴える人が多くなっています。また、加齢とともに光を感じる感度が低下し、細かい文字などが見えにくくなってしまうことがあることが分かっています。老眼鏡は度数を合わせるだけではなく、ライフスタイルに応じてカスタマイズする時代になっています。デジタル機器からの刺激の強い光である「ブルーライト」をカットするレンズや、光感度サポートを行うレンズで一番快適な老眼鏡を選択しましょう。

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