「眼鏡をかけると度数が進行する」は間違い?
「眼鏡をかけると度数が進行する」は間違い?
ちまたでよく聞く「眼鏡をかけると度数が進行する」というのは本当なのでしょうか?
●近視の物の見え方
近視とは、物を見るときに網膜の前方に像を結ぶ眼で、近方には調節をしなくてもピントが合う眼です。
簡単に言うと、遠くがぼやけていて近くが見やすいということです。
遠くを見えるようにするには眼鏡(凹レンズ)で、網膜に平行光線が像を結ぶようにする必要があります。
眼鏡のレンズを使って遠くにピントを合わせるとういうことなので、適した眼鏡を使っていれば近視が進むということはありません。
●眼鏡をかけると近視が進むのか
まず、眼鏡を使わないで遠くを見る時は常に頑張って遠くを見ている状態です。
そこで眼鏡を使うようになると、頑張らなくても遠くが見えるため、眼はリラックスした状態になります。
そのため、個人差はありますが、眼鏡を使うようになってから眼鏡を外すと眼は眼鏡を使っていない時より無理していない分、遠くが見にくい場合もあります。そういった理由で眼鏡をかけると近視が進むと勘違いされているのです。
老眼になりやすい人、なりにくい人は何が違うのか
人の眼は30代で見えづらくなる人もいれば、40歳を過ぎても全く問題ない人もいます。
最近では「スマホ老眼」という言葉が流行っているだけに、20代で見えづらくなる人も珍しくありません。
しかし中には60歳を超えても老眼にならないという人もいるそうです。この差はどこからくるのでしょうか。
基本的に近くを見る作業が多い人、例えばパソコンやモニター画面を見る作業が多い人は通常よりも老眼は早いと思った方がいいです。
近くを見る作業が長ければ長いほど、老眼の症状は強く出やすいのです。
あとは糖尿病などの全身に関する病気があったり、体調が悪い人はなりやすいと言えます。
よく「近視の人は老眼にならない」ということを耳にしますが、それは間違いです。
これは近視と老眼の話が混合してしまっているのです。近視と老眼は、まったく別ものです。
「近視の人は眼鏡を外せば近くが見えているから老眼ではない」ということはありません。
もともと近視の人は遠くが見えづらいのであって、近くを見る能力に優れているわけではありません。
近視の人がまだ老眼でない時に、近視用(遠くが見えやすい)の眼鏡をかけた状態で手元を見ると、ちゃんと見えます。
しかし老眼になって、近視用の眼鏡をかけた状態で手元を見ると、近距離でピントを合わせる能力が落ちているので見えなくなります。眼鏡を外すと手元が見やすくなるのは、レンズがなくなるため余計な調節がいらなくなるからです。
進行具合によっては、近視用の眼鏡を外しても以前ほどは近くが見づらくなっていきます。
手元が見えなくなり不便になっても頑なに抵抗するのは、ひとえに「老眼」という言葉の響きに問題があるからでしょう。
しかし見えないことで、日常生活や仕事に不都合が生じていることに変わりはありません。
抵抗すればするほど生産性を損なっている可能性が高いです。早く眼鏡を作ったほうが生産性はアップします。
老眼かも、と思ったら・・・
もし「自分はすでに老眼、またはスマホ老眼かもしれない」と思ったら、まずは目の疲れを取りましょう。
スマホ老眼の場合、それで症状が改善することがあるからです。
以下の4つがオススメです。
●見る物の距離を離す
●ブルーライトをカットする
●パソコン作業を60~90分行ったら、10~15分程度休憩する
●1m以上遠くを見る
近くばかりを見ていると目の筋肉に負担がかかります。そのため5cmでも10cmでも離して見ると、疲労度が減り疲れにくくなります。パソコンやスマートフォンなどのモニタを見るなら、ブルーライトをカットしましょう。
専用の眼鏡をかけてもいいですし、スマートフォンにブルーライトカットの機能があればそれを活用してもいいでしょう。
長時間パソコン作業をしているなら、60~90分に1回、10分間程度の休憩を挟みましょう。
そのとき、1m以上先に視線を合わせて遠くを見てください。
それで固まっていた毛様体筋を一旦リセットすることができます。リセットするとまたピントを合わせやすくなります。
この他にも、目を温めて血流を促進させるのもおすすめです。
「遠く」と言うと何十mも先を見なくてはいけないと思うかもしれませんが違います。1m以上先で大丈夫です。
視線を1m先に離すだけでいいのです。パソコン作業をしていてちょっと疲れたなと思ったら、モニタから視線を外して、1mくらい先をボーッと見るだけでも効果的です。
初めの一歩は眼科?それとも眼鏡屋?
視力に違和感を感じたら、まずは最寄りの眼科を受診することをオススメします。
単なる老眼だけで済めばいいですが、白内障や緑内障など他の病気の可能性もあるからです。
その他にも先に眼科を受診した方がいい理由があります。
老眼鏡を作る時に眼鏡屋に行って視力を測ってもらうこともできますが、まずは眼科医に診てもらい、眼鏡用の処方箋をもらってそれをもとに眼鏡屋で眼鏡を作る、というのが一番間違いないと思います。
眼科では目が疲れない度数に設定してくれるからです。
高い眼鏡屋だから良いとか、安い眼鏡屋だからダメということはないです。
ただ「どうしたいのか」自分から詳しく言わないと、相手の考えで眼鏡を作ってしまいがちです。
「パソコン作業が多い」「車を運転することが多い」「疲れないことを重視したい」など、はっきり伝えることが大切です。
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